環境ホルモンは体内でホルモンの役割を果たし、ほんの少しの量でも体に影響を与えます。無添加や自然派をうたっている化粧品の中にも含まれている場合があるので注意が必要です。ここでは環境ホルモンとは何かを見てみましょう。
近年話題になっている「環境ホルモン」ですが、正式には内分泌攪乱物質(ないぶんぴつかくらんぶっしつ)と言います。特定の物質を指すわけではなく、環境中に放出された化学物質が、体内に取り込まれ、ホルモンと同じような働きをして様々な健康障害を招くことを指します。
正常なホルモンは、ホルモンレセプターを刺激して遺伝子を活性化し、体や成長にとって必要な生体反応を起こします。ところが、環境ホルモンは、正常なホルモンと同じような働きをして、ホルモンレセプターを刺激し、不必要なときに遺伝子を活性化させたり、正常なホルモンの働きを邪魔して必要なときにホルモンレセプターが働かないようにしてしまうのです。
その結果、雌では性成熟の遅れ、生殖可能齢の短縮、妊娠維持困難・流産などが見出され、雄では精巣萎縮、精子減少、性行動の異常等との関連が報告されています。
内分泌器官で分泌されるホルモンはとても微量なため、ほんのわずかの環境ホルモンであっても、正常なホルモンの働きを乱す怖れがあります。通常、化学物質による公害病などは100万分の1グラム単位であるppmレベルで障害を起こしますが、環境ホルモンは10億分の1単位であるppb、1兆分の1単位であるpptレベルで障害を起こすと言われています。
具体的には、脳への影響、また、精子数の減少など生殖器系への影響が問題となっています。帝京大学医学部の調査によると、日本人の20歳代の男性の精子数が、40歳代前後の男性に比べて半数ほどしかないことが明らかになったそうです。近年問題となっている少子化の背景には、環境ホルモンの影響があるのでは、と指摘する専門家もいます。また、女性ホルモンのエストロゲンと同じ働きをするものもあり、乳ガンや子宮ガンの増加・低年齢化にも影響を与えているのでは、と言われています。
これらの環境ホルモンは口や皮膚から体内に吸収、蓄積され、胎盤や母乳を介して何世代にも障害を与えます。とくに、皮膚から吸収されたものは、体外に排出されるまでに十年以上かかるものもあり、長い間体内に蓄積されることになります。
環境ホルモンは、親から子へ受け継がれ、何世代にもわたって蓄積していきます。極めて微量で作用するため、とくに様々なホルモンが重要な働きを示す胎児や、成長期である乳幼児の時期に摂取した場合の影響が心配されており、次の世代にどのように発現していくか、長期的な調査が必要とされています。
女性の場合、化粧品など毎日肌につけるものには特に気を付けたいですね。自分自身には目に見える影響がかったとしても、将来生まれてくる子供に計り知れない影響を与えかねないのですから。
【参考】
無添加レポート:化粧品の安全性に関するニュースなど
発がん性の疑いのある成分一覧
環境ホルモンの疑いのある成分一覧