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中日新聞 ⇒http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2007082302043112.html より
「国際動物実験代替法会議」が東京都内で始まりました。アジア初の開催で50カ国から900人以上の研究者らが参加し、いかに動物実験を減らすかなどを話し合います。
人間のためにラットやウサギ、犬などの動物を使って行う実験は長い間、何の疑問も持たれずに行なわれていました。しかし、欧米、特に欧州での動物の福祉や権利への関心の高まりが、その流れにストップをかけました。
そうして、欧米先進国の科学研究では、動物実験の他の方法への変更、使用動物数の削減、動物に与える苦痛の削減という3原則を早くから掲げ、実験動物の数を減らしてきました。
ドイツでは1977年に400万匹だったのを2004年には8分の1にまで減らした実績があります。日本も減少傾向にはありますが、欧州連合(EU)ほどではありません。EU全体で実験に使われた動物は、2002年の時点で約1000万匹なのに対し、日本は一国でほぼ同じ時期に900万匹にのぼるとされていて突出して多いのです。
当面優先すべきは化粧品開発での動物実験の廃止です。化粧品の皮膚への刺激性を調べるのに従来、生きたウサギの目を使ってきました。しかし、EUは09年以降、動物実験を行った化粧品の全面的な販売・輸入禁止を決め、その代わりバイオ細胞を使う代替法が普及してきました。これに対して国内の化粧品会社で動物実験を廃止したのはまだ3,4社といわれています。
医薬品開発での動物実験は各国とも法で義務付けていることが多く、容易に全廃できない。とはいえ代替法の開発で少しずつ減らしています。
今回の会議では、動物を使わずに化学物質の毒性をその構造からコンピューターで予測する方法が注目されています。東北大学などからは、分化させたヒト免疫細胞を使いアレルギーの程度を調べる方法が発表されます。
欧米では動物実験について国レベルで一定の施設基準を定めたり、実験者を登録制にして限定するなど法的に規制しているのに対し、日本は、各施設の指針など自主性に任せていて、どんな動物がどれだけ使われているのかさえ、正確に把握できていません。
医薬品開発などにおける動物実験は現状では避け難いとはいえ、むやみに殺すことは好ましくありません。動物福祉の観点から、使用数を減らしたり動物実験に代わる方法の開発に世界中で取り組むべきだという意見があります。
ほんの15年ほど前には、「動物実験を行なっていません」という表示はまだ珍しいものでした。現在では、随分目に慣れましたが、まだそのほとんどは欧米ブランドのものです。エスティローダー、ボディショップ、ヴェレダ、ジュリーク・・・と枚挙に暇がありません。
このニュースには、化粧品の動物実験を廃止している国内のメーカーは3,4社とありますが、少しづつ増えてきています。井田ラボラトリーズやちふれ化粧品、DHC・・・など、他にも耳慣れた会社が賛同しています。
肌に直接つけるものですし、やはり、副作用などがないものか、ちゃんと証明されたものでないと、使うのに不安があります。しかし、そのために動物たちが犠牲になってしまうのは、人間の勝手のように思えます。
バイオ細胞を利用する方法や、コンピューターで予測する方法など、動物たちの命を犠牲にせずに、しかし、その安全性を計り知ることができる代替法の開発がもっと進むといいですね。